問題解決実績 [CASE STUDY]

レーザー機器選定でよくある間違い

レーザークリーニング(薄板表面処理)レーザーブラスト加工

「エクセルができるならホームページも作れるでしょ!」

そんなことを言われたことがある方なら
共感していただけるんじゃないでしょうか。

今回のテーマは「そんなに都合の良いことはない」
もしくは「違いが分かるのがプロの証」です。

laser-point.png

よく、「レーザーで刻印ができるんなら
素地調整もレーザーで出来るんやろ!」
って言われますが、違うんです。

レーザをよく知っている技術者からすると
レーザは汎用的には使いにくいんです。

例えばレーザーを使った加工には
主なもので溶接、肉盛り、クリーニング、
そしてブラスト処理があります。

いずれもレーザ技術を活用した加工
という点では同じですが、
実際に使用するレーザの
最適なタイプは出力や波形などが
それぞれ異なります。

レーザ加工は優れた加工法ですが、
加工内容に適した種類があります。

汎用的に考えてしまうと、
いざ設備をそろえて "さぁやろか"
ってなっても出来ません。

・旧塗膜の剥離
・黒皮の剥離
・アルマイト処理された部品への刻印

例えばこれくらいの加工であれば、
同じ1台のレーザ設備で
できないこともないですが

汎用性を求めるとどうしても
効率性が落ちたり、品質が落ちたりします。

加工品質を担保するには
塗膜の種類、膜厚、サビや母材の状態など
様々なチェックポイントがあります。

そのため、複数の加工目的がある場合
1台のレーザ設備で満足のいく結果には
ならないことが多いので

表面処理の専門家の立場からは
お勧めできません。

実際にはそのやりたい事
ひとつひとつに合わせたレーザ設備を
そろえるほうが本当は良いのです。

ワークにいろんな種類があるように、
レーザにもそのワークに適した出力があり、

CWレーザ、パルスレーザ、超短パルスレーザ
のような種類があり、

光学系、照射ヘッド、ガルバノヘッドなど
様々な要素があります。

本来は、これがやりたいのであれば
それにはこのレーザ、このヘッド、
この光学系といった最適解があります。

設備の概要が決まると次に
条件を検証するテストが必ず必要。

経験豊かな技術者主導のもとで
検証・テストをしていく中で、
その設備の最終的な仕様・設定
が固まります。

レーザを効果的に使うには
検証テストが非常に大事ということですね。

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母材の状態や設備の能力などで
結果が大きく変わるため、
事前の検証は必ずやっておくことをお勧めします。

レーザはとても興味深い技術です。

要件をもとに検証を重ね、
設備の設定を詰めていくと
結果が劇的に変わることもよくあります。

欠点は、事前テストが必須であることと
精密機器であるがために
持ち出して現場での作業が
まだまだ限られるということ。

この点についてはすでに実際の橋で
レーザを使ったブラスト処理の
テストを始めており、

知見がたまってくれば
事前テストも軽減されていくでしょう。

そして設備も可搬性を上げるための改修が
いよいよ佳境に差し掛かってきました。

なによりいろんな設備での検証結果の
データがかなり出そろってきました。

当社レーザー事業部が目標とする
橋梁、実橋へのレーザーブラスト工法の適用
にも目途が立ってきました。

橋梁メンテナンスの分野では
まだまだ知名度の低い
レーザーによるブラスト処理ですが、

一日も早くたくさんの現場で
使えるようにするために

現場での試験運用を進め、
当社の熟練した現場作業者からの意見も
どんどん取り入れて改善しておりますので、
乞うご期待!

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