Posted on 2024.05.20
「レーザーで金属の表面の錆や旧塗膜がキレイに剥がせる!と思ったのに、期待したほどきれいにならなかった・・・」という経験をしたことはありませんか?
YouTubeなどで気持ちいいほどキレイにバーッと錆が落ちていく動画をご覧になられた方は多いと思います。もちろんあっという間にキレイになることもありますが、なんでもかんでもレーザーならキレイになる!というかというと、実はそうではありません。
レーザーそのものはデジタルで出力を調節するものなので、基本的に同じ出力であれば面でも点でも結果は同じ、と考えられがちですが、ここに誤解があります。
レーザークリーニング機の販売始めました
レーザークリーニング機の選定で間違えないようにアドバイスするとともに、設備販売のサービスも2024年5月から開始しました。
同じレーザーと名がついていても、レーザー溶接は『点』、レーザークリーニングは『面』を処理します。実は点で処理をするレーザー溶接とは異なり、面で処理をするレーザークリーニングは表面の状態により処理結果のバラツキを抑えるのが難しい場合が多いのです。
具体的には「レーザ溶接」は点で処理をします。なのでひとつの部材に複数個所のレーザ溶接をしても溶接の強度などの結果はそんなに変わらない。許容できる範囲、誤差の範囲に収まる、おおよそよく似た結果がでます。
一方、「レーザークリーニング」は面で処理をします。つまり場所を変えながら複数個所を処理します。点で処理をしていた時には結果に違いはほとんど出なくても、面で処理をするとその違いが大きく出てきます。
具体的には母材表面の塗料の成分や膜厚などμm単位での変化により、点で処理する溶接よりも処理結果の精度に幅が出ます。この幅が結果的に「この部分はキレイに取れたけどこっちは少し錆が残っている」とか、「旧塗膜が取り切れていない」という結果に繋がります。
一見キレイに取れたように見えても、こすってみると上っ面が取れただけでその下には赤錆が残っていた、ということもあります。これは錆の侵食度合いが部位によって異なるからですね。
面で処理する場合、母材表面の状態が与える影響の差が大きいということを理解しているかどうかが大事なポイント。これを理解していないと「レーザでは取れない」と諦めてしまいがち。
面で処理をするレーザクリーニングは、例えばカチオン電着塗装などのようにその表面が平滑なほうが均一な処理ができるので良い結果が得られます。反対に塗料が何度も重ね塗りされた旧塗膜は膜厚が均一ではないので、レーザークリーニングの結果も均一ではなくなります。
ひとくちに錆や旧塗膜と言ってもその表面の状態によって必要な出力も変わってきます。なので当社では必ずテストピースでの試験を事前に行うことを推奨しています。
5月23日(木)、24日(金)は大阪のハナミズキホールにて100w機、200w機を展示、実機を触っていただけます。ぜひ、お気軽にお越しください。
詳しくは上記画像をクリック!
タグ一覧